中古の建物を短期で減価償却するというものです。ただし、物件によって作れる損金が異なります。また、後で投下資本を着実に回収できないリスクがあります。ここでは、基本的なしくみ・メリット・注意点をお伝えします。
不動産で減価償却を行えるしくみ
中古不動産に投資することにより短い期間で減価償却が行えるので、大きな経費を計上することができます。ここで、減価償却についておさらいしておきましょう。
1.1.減価償却とはなにか
減価償却とは、該当する固定資産の購入費用を、何年かに渡って分割して経費にする会計処理です。減価償却の対象物は、何年で経費に出来るか、細かく法律で定められています。例えば、新車は6年、パソコンは4年で経費にできます。この年数を耐用年数と言います。
これから、具体的な建物の構造を例に挙げて、減価償却率が高い建物について解説していきます。
1.2.減価償却率が高い建物とは
まず、新築物件と中古物件の減価償却費を比較してみましょう。
建物の減価償却費は、対象の建物の構造ごとに耐用年数を定めて計算を行います。
新築の場合の耐用年数を見てみましょう。
【構造別の耐用年数】
- RC:47年
- 重量鉄骨:34年
- 軽量鉄骨:27年
- 木造:22年
新築の場合は、上記の耐用年数で購入金額を割れば年間の償却費が計算できます。
では次に、中古物件の場合の耐用年数を見てみましょう。
中古物件の償却期間=法定耐用年数-築年数×0.8
加えて、法定耐用年数<償却期間 の場合は、下記の耐用年数を使用します。
【構造別の耐用年数】
- RC:9年
- 重量鉄骨:6年
- 軽量鉄骨:5年
- 木造:4年
それぞれの減価償却費を踏まえると、3つの条件の建物が耐用年数が短く減価償却率が高い建物と言えます。
- 築35年の重量鉄骨の建物:6年償却
- 築28年の軽量鉄骨の建物:5年償却
- 築23年の木造の建物:4年償却
1.3.減価償却率がよい物件とは
では、減価償却率がよい物件とはどういう物件か、具体的にお伝えします。
築23年以上の木造の建物であれば、建物価格のほぼ全額を4年~5年で減価償却費として計上できます。
また、木造だと解体も比較的安い値段で出来るので、将来更地にして売るつもりであれば解体コストも低くて済みます。
1.4.減価償却費のシミュレーション
4000万円の木造物件で、減価償却費をシミュレーションしてみましょう。
【4,000万円の中古の木造建物(築23年)を減価償却する場合】
- 購入金額4,000万円÷4年(耐用年数)=年間減価償却費1,000万円
【4,000万円の鉄筋コンクリート造建物(新築)を減価償却する場合】
- 購入金額4,000万円÷47年(耐用年数)≒年間減価償却費85万円
同じ4000万円で建物を購入した場合、中古の木造建物と新築の鉄筋コンクリート造建物の年間の減価償却費の差額は、1000万円-85万円で915万円です。
2.海外不動産の場合
海外不動産は物件価格の中で建物の割合が高く、土地と建物の割合は、2:8程度に設定されています。そのため、日本の不動産と比べて減価償却費が高く、利回りが高いです。
2.1.法人のみ可能な節税スキーム
海外不動産による4年償却は、法人のみ可能です。なぜかというと、2020年の税制改正で、海外不動産を活用した個人の所得税対策が制限されたためです。ただし、税制改正は「所得税の損益通算」に関わるものであるため、法人名義の保有は対象になっていません。
2.2.出資額は数千万円から数億円
不動産投資の出資額は、最低でも数千万円程度必要です。
物件を一括で購入して4年間定額で減価償却するので、キャッシュが潤沢で利益が安定している会社に向いています。
2.3.海外不動産のメリット
海外不動産は、強力なメリットが3つあります。アメリカテキサスの海外不動産を例に挙げながら説明します。
- 物件価格に対して建物割合が高い
- 4年で減価償却可能
- 資産価値が落ちない
まず、アメリカの物件は、価格の中で土地の割合が低く、土地と建物の割合が2:8程度に設定されています。建物は減価償却で経費化できるので、建物割合が高いのは非常に魅力的と言えます。
次に、日本に居住している投資家がアメリカの不動産を持っている場合、日本の税制に基づいて減価償却し、経費に計上できます。築23年の木造の建物が節税に向いていることも変わりません。
また、日本は新築物件が多いですが、アメリカは中古物件が8~9割です。中古物件を修繕して売却します。そのため、築年数の経過による価値の劣化が少ないです。さらに、物件の供給も非常に少ないため、中古でも不動産の価値は落ちにくいです。むしろ、時間が経過するに従って価値が上がっていくのが一般的です。そのため、償却後に高値で売却することができます。
2.4 注意点
為替リスクがあります。また、現地の不動産に関するルールや、投資先の国の税制は日本と違うので、概要を把握しておくことが重要です。
物件の管理や納税を代行してくれる日本の業者があります。リスクをなるべく避けたいのであれば、利回りは多少低くなっても、信頼できる業者に委託しましょう。現地に事務所があり日本人のスタッフが駐在しているか、トラブル・クレーム対応の体制が整備されているかなど、確認することをおすすめします。
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